私たち、まだまだ頑張っちゃダメですか?

人生100年時代と謳われる今、そのトップランナーとなる“新しい50代”。
50代は、仕事や家庭、そして女性として、今まで「これが私」と思ってきた場所やカタチが変化する中、
これから先のミライを生きるため、自身の変化を迫られます。
今回お届けするのは、自身でもがきながらアイデンティティチェンジを成し遂げた、
3人の50代女性のストーリーです。

日本テレビnewseveryにてグルメリポーターを務めるなどリポーター歴30年になります。企業の大きなイベントから華やかなパーティー、そしてテレビショッピングと司会の仕事でジャケットは手放せないアイテムでした。子育てと仕事の両立は大変でしたが、今となっては、それも良い思い出です。私が50歳を迎えた昨年、一軒家に引っ越しして、主人、息子、トイプードルの3人+1匹の生活スタイルも、一新しました。

20代後半、実績のあった福岡でのレポーターのキャリアを捨てて、上京。 この仕事で生きていこうと腹を括ったものの、オーデションに受からなかったり、仕事があってもハードスケジュールで体調を壊したり、もがく日々が続きました。
地元に帰ったほうがいいのかなと悩んだ時期もありましたが、自分を信じてあきらめずに地道に努力してオーデションを受けていたら、35歳で大きなレポーターの仕事が決まりました。 諦めなくてよかった! そう思った瞬間でした。

そこから、徐々に仕事の幅も広がっていき、51歳になった今、気がつくと「話す」仕事に関わって30年が経ちました。先のことをあまり考えていませんでしたが、今年の春、ずっとやりたかった念願の「旅レポーター」のお仕事が決まったんです!

まさかこの年で夢が叶うなんて……! 嬉しくて、家族に一番に報告したら、すごく喜んでくれて。好きなことを真面目に続けていたから神様がご褒美をくださったのかな。
食レポーターやイベントやパーティーの司会のほか、通販番組、医療系youtubeの司会も始まり、学ぶことがたくさん。新しいことに挑戦する毎日が新鮮です。

さらに、昨年から家族の絆がより強くなったように感じています。 実はうちはステップファミリー。息子と最初の出会いは4歳でした。その時は1か月に1度、うちに泊に来る程度。お客さま状態だったから、甘やかしていたと思います。でも、10歳から一緒に住み始めるようになって「お客さま」から「家族」になったので、ちゃんと育てなきゃと厳しく育てました。

彼の気持ちがわからない、どうしたらいいか迷うことばかりで辛くて泣いたり、つい大きな声をあげて注意してしまったり……。自分を責めることがたくさんありました。でも実家の母に「本当の親子でも子育てで何が正解かなんてわからないのよ。あなたらしく育てなさい」と言ってもらって。ふっと心が軽くなったんです。突然10歳の子供の母親になったのだから何もわからなくて当然ですよね。それからは、とにかく全力でぶつかりました。たくさんやり合いました。
反抗期もあったし、大変でしたが、やり合うたびに気持ちが近づいていった気がします。

私が50歳を迎えた昨年、彼が20才になりました。バスケに夢中の優しい子に成長してくれて、肩の力が抜けてきました。彼が来てくれたから、私は「母親」になれた。今では「本当の親子」であり「一番の親友」です。

子育てもかなり落ち着いてきたので、自分の時間も持てるようになってきました。ゴルフも再開。仲間とワイワイするのが最高です。そして、ダンス未経験から始めたラテンダンス。かっこよくてキレのある動きに惹かれました。合宿に参加したり、海外のフェスに出演したり、趣味の時間を楽しんでいます。

50代って心身の不調もあり、日々落ち込むこともありますが、仕事での新しい挑戦、息子との関係、趣味の時間も増えて、こんなに楽しくなるとは思っていませんでした。

人生100年時代、まだ残りは半分。これからの50年をどう過ごすか、考えるだけで最高に楽しいです。

今春から旅番組のレポーターの仕事が決まりました!ずっとやりたいと思っていた仕事なので、嬉しさと驚きで「やったー!」と心の中でガッツポーズしてしまったほど。若い頃はがむしゃらに目の前の仕事を一生懸命やっていましたが、今は、喉のケアや体調管理、事前のリサーチなどやることが増えていますが、そんな時間も好き。自分と向き合えるので大切にしています。

旅番組では、荷物はなるべく少なくしたいので、着まわせる服が必須。このブラウスは、顔周りが明るくなる大きなフリル、首回りのゴム、前後ろで着こなせるうえに胸元のフックを外すとカーディガンにもなる、といった一枚でいろんな着方できるので旅の相棒のピッタリ。華やかで番組の衣装にも使えそうです。

今日は、息子と初めての表参道デート。普段は部活で忙しい上にオシャレなんて全然興味がなくていつもジャージ。何を着てくるか心配だったけど、「あら! 結構イケてるじゃない」なんて(笑)。普段は「筋トレ」とか「バスケ」の話しばかりだけど、今日は大学の授業のこと、合コンの話しも出て。「なんか成長したなー」と思いました。
これからはもっといろんな話ができるのかな、とひとりニヤニヤ。

初めて会ったときは4歳。「天使」みたいに可愛い男の子でした。でも、一緒に住み始めたら、「天使」じゃなかった(笑)。たくさんぶつかりました。でも、本気で向き合い、全力でぶつかってきたから、今は、胸を張って「私の息子」と言えます。不妊は神様が私に与えた試練なのかなと辛い時期もありましたが、彼がうちに来てくれてから大切な「宝物」ができました。

トレンド感のある街にはシアーなカーディガンとボレロのセットアップをセレクト。程よい透け感が、50代の女っぽさにちょうどいい。上品で涼しげなグレーに合わせて、久しぶりにシルバーのヒールを履いてみました。ボレロ風カーディガンはきれいめにまとめず、ひとクセあるカジュアルパンツを選びました。

息子も立派に成長し、大学3年生に。そろそろ就活も考え始めているよう。子育てもすっかり落ち着いてひと段落しました。仕事も忙しいのですが、そろそろ自分のための時間を作ってもいいかなとゴルフを再開。しばらく遠ざかっていましたが、周りの友人たちも次々に再開し、お誘いを受けることが多くなりました。

ラウンドは長時間一緒に過ごすので、しばらく会ってなかった仲間ともすぐ昔に戻って話しが弾み、初めましての方々とも意気投合して、輪が広がってきています。ゴルフの腕前はまだまだこれから。伸びしろしかありません。今は、とにかく楽しむことが一番。いつか、家族と一緒にラウンドできたら楽しいですよね。

アフターゴルフは、「食事へ!」となることも多いので、サッと一枚でサマになるアイテムが便利。ヴェルソーのノースリーブトップスは胸元と裾部分がシアーで、さらに背中部分にスリット入り。程よい光沢感があって一枚でも華やかです。もちろん、普段はジャケットの下のインナーにしても楽しめます。今日は、レザースカートにあえてローファーを合わせて、カジュアルな抜け感を意識しました。

50歳過ぎてヘッドハンティングされた大手アパレルブランドでの会社員時代は、自社のアパレルブランドしか着用を許されていませんでした。常に女性らしいデザインやシルエットの服を身に纏い、会社の顔として突然お客様に会っても好感度の高いファッションを意識。私らしさのある服を封印していた時代です。

高校時代での短期留学の経験から、渡米しアメリカでの大学進学を決意。大学ではPRを専攻していました。
卒業後は帰国し外資系医療機器に入社するものの、仕事と育児の両立はカラダを壊して退職。昔は今ほど制度も整っていなかったですし、凝り性なので無理をしてしまったんですね。

その後は、子育て時代に出会ったオーガニックコスメを追求していくうちにさまざまなブランドと関わり、PRを依頼されるようになりました。フリーのPRとして実績を積んで活躍していた頃、大手アパレルブランドに部長代理としてヘッドハンティングされたんです。

しかし既に50歳を過ぎていて、今さら正社員として働くメリットや自由な生活を手放すこと、また今までの人脈をリセットすることの怖さなどからお断りしようと考えていました。
そんなとき「辞めたくなったらいつでも辞めればいい。それよりも50歳過ぎて正社員に来て欲しいなんて名誉なことだよ」と友達に背中を押されて入社を決意。
僅か1年半の正社員時代でしたが、激務とストレスで8kgも太ってしまい、体力の限界を感じて退職することにしました。

現在は新たな家族として迎え入れた保護犬との生活もスタートし、大手アパレルブランドでの知識と経験を活かしてフリーのPRとして再出発したところです。

現在54歳。正直フリーとして将来に不安がないと言えば嘘になりますが、いつだってワガママに自分の思うように生きてきたんです。
5年前の「私」は今の「私」が想像できなかったように、5年後の「私」も今の「私」が作る未来の延長線。とにかく今は全力でフリーPRとして、できることをやってみたいと思っています。

フランス人オーナーが手掛ける眼鏡屋さんでのお仕事は、得意の英語でコミュニケーションを取ります。フリーPRに戻ってからは、昔の人脈を頼りに作成した企画書を持参して積極的に自分を売り込んで仕事を獲得。そんな時に頼りになる黒のセットアップは、仕事ができる『私』を演出してくれる勝負服です。

このジャケットは、腕を抜くと肩掛け風に見えて、重くなりがちなALLブラックスーツに、女っぽい肌の抜け感を演出してくれます。イベントから打ち合せまで、私に自信をくれる強い味方。元々、エッジが効いたファッションが好きだった私。一目ぼれしたスーツを味方に、新しい分野のPRを開拓していくつもりです。

撮影協力/L'OEIL DE TŌKYŌ

大学生の一人息子は中学からの附属校に通うため、ママ友とは長いお付き合いで気心知れた仲。男子はあまり学校のことを話してくれないので、ママ友との情報交換は私にとって必要な時間。

ママ友ランチは、「何着ていこう?」と毎回悩みますが、このジャケットはジレ付きで一枚でサマになり、シャツ感覚で着られる軽やかさで“いざ”というシーンにも便利。ドレープ感ある素材なので、大人BODYをまろやかに演出してくれます。
華やかなピンクのパンツとパンプスを合わせて、品あるコーデを意識しました。

昨年、まだ赤ちゃんだった保護犬のボーダーコリーを家に迎え入れてから私の生活は一変しました。1日2〜3回は散歩に連れて行き、彼のストレスを発散させないと家が破壊されてしまうほどのヤンチャボーイ(笑)。彼の瞳はブルーなので、地球をイメージして“アース”と名付けました。
幼少の頃から犬に囲まれた生活をしていたので、犬は大好き!
既に老犬で先住犬のトイプードルは新しく仲間入りしたアースに迷惑そうですが、犬たちから得る癒しは私の日々の活力です。

そんなわけでお仕事がない日の私は超絶カジュアル。このサロペットパンツは軽くて履きやすく、つるんとした生地なので、恐ろしいほど毛が抜けるアースを抱っこしても全く服に毛がつかなくて優秀です。息子から拝借したロックTとキャップを被って、今日も元気に散歩に行ってきます。

結婚してからずっと専業主婦。ファッションもロングヘアにコンサバなスタイルが主流でした。
一人息子が就職し、時間をもて余したことがきっかけでファッション誌のブロガーに応募。子どもの頃からオシャレが大好きで、インスタでのファッションが評判となり、今やフォロワー3万人の人気インスタグラマーに。
最近では某ブランドの広告チラシなどにも露出を増やし、活躍の場を広げています。

私は自分に自信があるわけでもなく、本当にただの専業主婦だったんです。昔、VERYやSTORYに読者モデルとして声をかけられたこともありましたが、雑誌に出ている皆さんはとてもキラキラしていて、私には向いていないと思ってお断りし、表に出ることは後ろ向きでした。

でも一人息子の就職が決まり、地方へ行ってしまうと急に時間の使い方が分からなくなってしまって……。息子の「お母さん、何もしないの?」という言葉でハッとし、そのタイミングで某ファッション雑誌がブロガー募集をしていたのを見つけて応募。ブロガーとして活動することになりました。
ブロガーなので表立って雑誌に出ることはなかったのですが、書くことで表現することの面白さを知り、インスタで好きなファッションを表現していくうちに、自分の居場所を見つけて自信がついていったんです。

また50歳過ぎてから視力がどんどん悪くなり、乱視や老眼も加速して日常生活に支障をきたしてメガネをかけるように。すると髪とメガネのバランスが悪く感じて髪を一つに縛り、『眼鏡×まとめ髪』という私の今のマイスタイルが確立しました。
よく伊達メガネだと思われるのですが、度が入っている普通のメガネなんですよ(笑)。メガネをかけることによってファッションも自然に変化し、昔よりもカジュアルに抵抗がなくなりました。

そして、ロングヘアでコンサバムードだった私が、エッジの効いたスタイルも着こなせるようになり、フォロワーがどんどん増えていきました。今では『メガネの人』とか、撮影では『メガネをかけてきてください』と言われるほどです(笑)。

年齢とともに、年々カラダは変わっていきます。それこそメガネも老化現象で必要に迫られたのですが、まさかメガネが私を引き上げてくれる魔法のアイテムだとは思いませんでした。

何者でもなかった私の新しい挑戦。50歳過ぎてからこんなにも自分の人生が楽しく、自分の足で歩いている実感を得るなんて思いもしませんでした。人生折り返し、まだまだ楽しみたいと思っています。

最近のマイブームは、昨年の10月から毎週通い始めたヒップホップ。実は高校時代にチアリーディングをやっていて、カラダを動かすことは大好きなんです。友達に「体験教室に行かない?」と誘われたのがキッカケですが、友達よりも私がハマってしまいました(笑)。

ヒップホップの練習に行く時はスニーカーなどの動きやすいファッションを選びます。このワンピースはニット素材で着心地がよく、二の腕をさりげなくカバーしてくれたり、ドッキングデザインで裾のタフタが歩く度になびいてサマになるのも胸キュンポイント。カジュアル過ぎないのでそのまま帰りに友達とカフェでお茶したりと行動範囲も広がります。

ランチの日は、パンプスや大振りアクセといったエレガントムードで、ガラリ表情を変えて着こなしています。

インスタを本格的に始めてからまだ3年くらいでしょうか。毎日家事をするように、インスタ投稿はいつしか私の日常の一部となっていきました。

インスタ用の写真や動画は、休日に夫が撮ったり、友だちとお出かけした時に撮ってもらったものです。写真を撮るコツなど教えてもらったこともなく、全て我流(笑)。ただあまり自己主張し過ぎないように、服やコーデが活きる雰囲気を大切にしています。

フォロワーさんが増えるにつれて、元々好きだったオシャレが私の生きる源になっていることは確かです。例えばこのケープカーディガンも、どんなボトムスと合わせようとか、小物は何にしようとか、どこで撮影しようとか考えるのも楽しみの一つです。

それにしても、このカーディガンは一枚でオシャレ感たっぷりな表情で、ワザいらずに映えるワンツーコーデが整ってしまうのが嬉しいポイントですね。アクセントとして、ALLホワイトコーデにはピンク小物をアクセントに、レディなゴールドのスカートコーデでは、トレードマークの眼鏡を外してエレガントに寄せてみました。

インスタでいただくメッセージは、オシャレを考えさせられるコメントも多く深いなぁと思っています。キッカケはインスタだったのかもしれませんが、動くキッカケは何でも良いと思っています。『行動すれば未来は変わる』、それは私が一番体現して理解したこと。今はこのインスタの世界観を楽しみ、自分らしく表現していきたいと思ってます。

その先の私は……? と考えたりもしますが、歳を重ねても常に変化を受け入れ、柔軟に生きていきたいと思います。

撮影/沼尾翔平 取材/見学祐己子、北野法子 構成/河合由樹